- 2026年05月13日
農産物のサイズのバラツキでも止まらない!現場がラクになる自動梱包の考え方と段階的な機械化

農業の現場では、同じ品目でも「その日の収穫」「等級」「水分量」「箱の詰め方」によってサイズ感や重量が変わりやすく、梱包と出荷が“人の勘と体力”に頼りがちです。結果として、箱が潰れる、緩衝材が増える、手作業での結束が甘くて荷崩れする、あるいは作業員の身体的負担が限界を超えるといった課題が積み上がります。
本記事では、農産物特有のバラツキを前提としながらも、出荷現場の作業を止めずに安定して回すための「全自動化」の考え方を整理します。製函機、全自動梱包機、パレタイザー、パレットストレッチ包装機などを直列または連動させた「システムライン機」をどのように構築すれば現場の課題を根本から解決できるのか、具体的な農産物の事例をもとに解説します。
サイズバラツキが“作業のバラツキ”を生み、出荷品質とコストを揺らす
サイズが揃わないと、まず箱詰めの「収まり」が安定せず、箱の強度を超える詰め方や、逆にスカスカで動いて傷む詰め方が起きます。すると、封函テープの貼り直しや補強、結束回数の追加が発生し、作業時間が読めなくなります。さらに繁忙期は、応援人員が入るほど手順がぶれて、締め付け不足・過締めによる箱潰れ・ラベル貼り忘れなど、出荷ミスが増えやすいのも現場あるあるです。
背景には「サイズ差=現物に合わせるしかない」という前提があり、工程側が合わせにいく設計になっていないことがあります。だからこそ、サイズの違いを“吸収できる”梱包工程(箱を作る・閉じる・束ねる・荷姿を固定する)を先に整えると、出荷の安定性が一段上がります。ここで効いてくるのが、段階的なシステムライン化です。
サイズが揃わないのが当たり前だからこそ、梱包・出荷を仕組み化する
具体例①:葉物野菜(キャベツ・白菜など)における梱包の手間と結束品質のブレ

葉物野菜は個体差が大きく、作業者が箱に収める際に収まり具合を調整する手間が発生します。箱詰めが終わった後も、手作業での結束作業では作業者ごとに締め付ける力が変わってしまいます。締め付けが弱ければ輸送中に箱が開いてしまい、逆に強すぎれば中の柔らかい葉物を圧迫して傷めてしまうため、品質を均一に保つことが困難です。特に出荷のピーク時など、応援人員が入るタイミングでは手順や感覚がブレやすく、クレームのリスクが高まります。
解決方法:計量から結束までを止めずに流す「インライン全自動梱包システム」
個人宛や市場向けにケース単位で発送するルートにおいて、作業者の感覚への依存をなくすシステムラインの導入が効果的です。具体的には、ラインの入り口に製函機を設置して自動で箱を組み上げ、作業者は「箱詰め」のみに専念できる環境を作ります。箱詰めされたケースは封函機を通った後、ウェイトチェッカーへと進み、重量のバラツキを自動判定して規格外を弾きます。その後、宛名ラベルを貼るラベラーを経て、全自動梱包機へと流し込みます。全自動梱包機を組み込むことで、段ボールへのPPバンド掛けが常に一定の適切な引締力で行われるため、箱や商品を傷めることなく確実な結束が可能です。出荷エリアへの移動までがスムーズな流れ作業となり、人員の熟練度に左右されない安定した高速出荷が実現します。
具体例②:果実(りんご・桃・柑橘など)のデリケートさと輸送中の振動リスク

果実はサイズ差があるだけでなく、表皮の傷や圧迫に対するデリケートさが最大の課題です。商品を保護するために手作業で緩衝材を丁寧に詰める必要があり、梱包工程そのものに非常に時間がかかります。さらに、手作業での箱積みや単体での輸送では、トラック運搬中のわずかな振動やケース同士の摩擦が果実にとって致命的な傷につながります。出荷時の荷姿が少しでも不安定だと、最終的にお客様の元へ届くまでの間に商品価値が下がってしまうという悩みが現場にはつきまといます。
解決方法:システムライン機化で“流れ作業”にし、緩衝材・封函・結束の滞留を解消する
果実は過締めが事故につながります。全自動梱包機を使うと、引締力を一定に設定できるため、作業者ごとの締め加減の差が無くなります。特に出荷のピーク時、手結束や感覚締めの増加はリスクになりやすいため、「結束の標準化」はクレーム予防の観点でも強い一手です。マニュアル結束や感覚に頼った締め付けの増加はリスクを高めるため、「結束の標準化」はクレーム予防の観点からも有効な対策です。また、果実は工程が増えやすいので、ラインが詰まるポイントが必ず出ます。ここで、コンベヤや作業台配置を含めたシステムライン機として設計し、封函→結束→パレット化までを一方向に流すと、「人が戻る」「置き場が溢れる」などの滞留が減り、同じ人数でも処理量が上がります。ナイガイ株式会社は自動梱包機を含むシステムライン機の提案からサポートまで一貫対応を掲げています。
具体例③:根菜(にんじん・ごぼう・さつまいも等)の重労働とパレット荷崩れの危険性

根菜類はサイズ差が重量差に直結しやすく、同じサイズの箱でも中身の総重量が非常に重くなりやすい品目です。重い箱を人の手で持ち上げて移動させたり、手作業でバンド掛けを行ったりする作業は、腰や腕への身体的負担が極めて大きく、作業員の疲労や労働環境の悪化を招きます。また、箱自体に重量があるため、パレットに積んだ際の重心バランスが崩れやすく、フォークリフトでの運搬中やトラック輸送中に荷崩れを起こす危険性が高いという深刻な課題を抱えています。
解決方法:製封函機+補助資材の組み合わせで“底の不安”を工程で消す
製封函機を軸に、底面の貼り方・テープ幅・貼り位置を標準化すると、作業者がその場の不安で過剰補強する状況が減らせます。その結果、テープ使用量のばらつきが抑えられ、資材コストの見通しも立てやすくなります。また、重い箱は手締めが最もつらい領域です。全自動梱包機なら、箱を所定位置に置くだけで結束ができ、締めの強さも一定化します。作業者の疲労が軽減されることで、結果としてミスや手戻りが減少し、出荷全体の安定につながります。「まず一工程だけ機械化する」といった段階的な導入がしやすい点も、半自動化の強みです。加えて、根菜は箱が重く、パレットの中で荷物のバランスが崩れると、運ぶ途中でずれやすくなります。パレット用ストレッチ包装機でしっかり固定しておくと、フォークリフトで動かすときやトラックで運ぶときのずれを抑えられます。その結果、追加のバンド掛けや当て木の手間も減らすことができます。
全体最適を見据えたシステムライン機導入のすすめ

農産物のサイズやバラツキはゼロにできません。だからこそ、作業者の感覚や体力に頼るのではなく、「製函」「封函」「結束」「パレットへの積み付けと固定」といった一連の流れをシステムラインとして構築することが、品質の安定とコスト削減の近道です。小さく始めるなら全自動梱包機で結束品質を揃え、次に製封函機で封函を標準化し、最後にパレットストレッチ包装機で出荷口の安定性を作る。そこまで整うと、システムライン機として全体最適の設計に進みやすくなります。
ナイガイ株式会社は、梱包・包装ラインの省力化を提案し、導入後サポートまで一貫して支援しています。「うちの品目と箱だと、どこから手を付けるのが一番効くのか」「半自動から始めて、将来ライン化したい」など、現場条件に合わせた導入の考え方から整理できます。まずはお気軽にご相談・お問い合わせください。

